こんにちは、心理カウンセラーのたかむれです。 
 
未来志向、あるいは解決志向。
 
とてもポジティブで
前向きな響きの言葉ですね。
 
 
 
これらのアプローチは、
過去の掘り下げに偏りがちだった
セラピー業界へのアンチテーゼとして、
大きな意味があったと思います。
 
臨床面でも、
新たな進展がありました。
 
しかし偏り過ぎると
弊害があります。
 
 
 
もし全てのセッションを未来志向、
解決志向で進めたら、
クライエントさんは
どう感じるでしょうか?
 
何か責められているように
感じやすくなります。
 
 
 
今の自分自身の状況やあり方。
 
それらを否定され、
 
「変わりなさい」
 
と圧力をかけられていると感じ
きつくなることも多いです。
 
 
 
未来志向、解決志向が機能しやすいのは、
ある程度準備ができているとき。
 
心の余裕があるとき。
 
 
 
また別のパターンとして、
苦しい状態になればなるほど、
クライエントさんが
未来志向や解決志向に
こだわることがあります。
 
現状のつらさを
一発逆転で解消したいと思う時です。
 
 
 
しかしこれは多くの場合、
うまくいきません。
 
空回りになりがち。
 
 
 
たとえで言うならば、
異臭がするときに、
脱臭せずに芳香剤を使って
紛らわす感じ。
 
実際にやったら
気持ち悪くなりそうですね。
 
 
 
異臭がするときは、
まずはしっかり脱臭。
 
次のステップとして、
必要性があれば芳香剤を使う。
 
この方が無理がないです。
 
 
 
でも苦しいときこそ、
未来志向、解決志向が強くなり、
イケイケドンドンになりやすいです。
 
ぱっと見、
元気に見えます。
 
どんどん回復が進んでいるようにすら、
見えることがあります。
 
 
 
でもどこか焦っている感じ、
無理している感じが漂ってくる。
 
そんなとき私は、
クライエントさんの苦しみの大きさを、
むしろ感じます。
 
 
 
そして少しずつ、
この頑張りを緩められるように、
援助します。
 
でもそれはクライエントさんにとっては、
とてもきついこと。
 
 
 
頑張るのもきついけれど、
頑張りを緩めるのもきつい。
 
そういう局面です。
 
 
 
前者は
出口のないきつさ。
 
そして後者は
出口のあるきつさ。
 
 
 
前者は短期的には、
ポジティブになれるけど、
あとで大きな反動がくるきつさ。
 
後者は短期的には、
かえってしんどくなるきつさ。
 
 
 
ですからクライエントさん自身は、
前者に偏りがち。
 
でもこれは、
出口がありません。
 
上がったり下がったりを、
延々繰り返すだけです。
 
 
 
頑張りを緩め、
短期的にしんどくなる展開は、
じっと見守ることができれば、
やがて機が熟してきます。
 
自分の中の否定性に向き合い、
潜り抜ける。
 
 
 
深い変容が起きてくる
プロセスです。
 
この変容には、
未来志向や解決志向は、
むしろ逆効果。
 
 
 
変容がストップし、
台無しになってしまうことも。
この局面でクライエントさんは
とても焦りがち。
 
すぐに結果が出て、
楽になるものに頼りたくなります。
 
 
 
そんなときセラピストは、
しっかり踏ん張る必要があります。
 
そしてそのしんどさと、
共にいる。
 
 
 
小手先は、
一切通用しません。
 
王道のアプローチを
キープすることが大切です。
 
以上、ご参考になれば幸いです。
 
 
 
最後までお読みいただき、ありがとうございます。

  

  

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