こんにちは、心理カウンセラーのたかむれです。
カウンセリングをしていると、
ある話題になると急に話が飛び、
本人も何を話しているかわからなくなることがあります。
その時私は、
そこに大きな苦痛が潜んでいるのを感じます。
ここをどう進めるかは、
ケースバイケース。
まずは経験からくる直感で、
そこに話題を振るかスルーするか決めます。
スルーというのは、
いわゆる回避。
セラピー業界では多くの場合、
回避は良くないこと。
しっかり直面しないと、
変われない。
といった共通認識が
暗黙のうちに存在するように思います。
しかしあまりにも大きな苦痛は、
少なくてもそのセッションでは触れず、
先送りにした方がいいケースは多いです。
回避を見つけたら
必ず直面させる。
それはクライエントさんを
かえって悪化させてしまいます。
やはりある程度準備ができている
必要があります。
まずはクライエントさんに
意思確認します。
それで向き合うことに、
合意が得られたとします。
それでもまだ私は慎重。
なぜならば合意したのは
クライエントさんの意識だけかもしれないから。
無意識はそんなことを
望んでいない、
ということも多々あります。
すると直面でもない、
単なる先送り(回避)でもない、
中間のアプローチをすることになります。
その結果、
やはり先送りになることもあれば、
しっかり向き合う流れになることもあります。
向き合う流れになったとしても、
その大きな苦痛から、
しっかりクライエントさんを守れるよう、
入念な段取りが必要です。
例えばその苦痛に向き合うことを考えた時、
どのくらいプレッシャーを感じるか。
そこに焦点を当てるところから、
始める必要があります。
苦痛の中身ではなく、
取り扱うことについての恐怖、ためらい。
そこにフォーカスし、
ケアする。
それだけで大きな癒しが起きることもありますし、
本丸の苦痛に入っていけることもあります。
このように大きな苦痛への対応は、
カウンセラー、セラピストが多くの選択肢を持ち、
柔軟かつ的確に対応することが不可欠です。
こういったスキルは、
資格を取得するためのトレーニングだけでは、
中々身につきません。
一番必要なのは、
前回の記事でも話題にした観察力。
特に見極めが必要なのは、
クライエントさんの無意識が協力的かどうか。
協力的な時はポジティブな反応がありますし、
非協力的な時はネガティブな反応があります。
何をもってしてポジティブ反応か、
あるいはネガティブ反応か、
見極める必要があります。
そして無意識が非協力的な時は、
これ以上苦痛に触れて欲しくない、
と訴えているわけです。
そこを無理に進めると信頼関係は損なわれ、
苦痛に向き合うどころでは
なくなってしまいます。
毎月開催している事例検討会では、
こういった観察力を高めるための
取り組みも行っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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