こんにちは、心理カウンセラーのたかむれです。
心って、
よくよく考えると不思議な存在。
物理的な実体が
あるわけではないのに、
私たちにとって
欠けがえのない大切なもの。
生きる意味をもたらす、
価値の源泉。
加えて心は
現実にも大きな影響を与える。
例えば数学。
高度な数式は心の中にだけ
存在するもの。
見えないし、
聞こえない存在。
そのため心の目で
見ることしかできない。
それゆえ専門外の人には縁遠く、
自分には関係ないと思いがち。
でもその数式を元に
テクノロジーが発展し、
高度な建築物や、
パソコン、スマホ等も作られた。
この数式の
本質は何か。
それは私たちが行動し現実化する前に
心の中で考えたり、予測する行為。
そして心の中にあるものは、
数式だけではありません。
様々な知識もそう。
これらが積み上がっていくことで、
どんどん発展していく。
私たちは何気にやっていますが、
実はすごいこと。
この能力は、物質にも植物にも、
他の動物にもない。
おそらく今のところ、
人間だけの特殊能力。
だからこそ、
文明も発達した。
良くも悪くも、
現実に大きな影響を与えるようになった。
環境破壊も、戦争も、
便利な生活も。
これらの始まりは心の中の何か、
つまり主観。
だから主観が全てで、
現実や客観は
その反映物に過ぎないという
考え方もあります。
これを唯心論と
言います。
一見、説得力がありますよね。
でもこれが行き過ぎ、
「主観さえ大事にすれば、
全て上手くいく」
となってくると、
弊害も出てきます。
それについては、
後で説明します。
逆の考え方もあります。
心は所詮、
脳の機能=客観に過ぎない。
心の働きは脳の仕組みで
すべて説明できる日が来る。
確かに薬を飲み、
脳内物質の分泌を促すと、
それが心に大きな影響を与えるのは確か。
気分が落ち着いたり、
落ち込みが緩和されたり、
動けるようになったり。
だから心は物質=客観より
格下の現象。
単なる虚構。
これを唯物論と
言います。
これはこれで弊害があるのは
みなさんご存知の通りです。
例えば文学や芸術の価値は、
私たちの意識空間にあります。
間主観とも
呼ばれる空間に。
価値そのものは見えないし、
聞こえない。
触ることも
出来ない。
だから脳内物質等の、
客観世界の研究が進んでも
間主観にはかすりもしない。
例えばモーツァルトが作った、
曲の数々。
その全てが名作で、
芸術性が高いとは
限らないですよね。
当たりもあれば、
はずれもある。
その違いを、
モーツァルトファンは、
かなりの部分、共有できます。
間主観の空間で。
でも測定し、
数値化することはできない。
だから脳内物質等の客観的研究の、
出る幕はないです。
意識空間は主観や間主観。
脳内物質は客観。
全く異なる分野です。
主観領域のものを、
客観で扱おうとしても
うまくいきません。
その逆もあります。
客観領域のものを
主観だけで扱うという。
例えば車を作る時、
頭の中だけで設計を完了し、
走行テストをしないまま販売したら・・・
確実に不具合が
出るでしょうね。
実際は設計図通りに組み立てた後、
走行テストを行う。
当然不具合が出てくるので、
それらが解消するまで対策していく。
頭の中だけで終わらせず、
トライ&エラーの泥臭い
現実的な作業の繰り返し。
こういった取り組みをすることで、
初めて信頼性の高い車を作ることができる。
客観性が大事な局面ですね。
そしてカウンセリング、セラピーは、
この両方が大事。
主観力と、客観力。
主観力が足りないと、
クライエントさんを理解し、
受け止めることはできません。
不可欠のもの。
加えて客観力。
今ここの
観察力。
クライエントさんの話の内容だけでなく、
ちょっとした表情や、
声の調子、スピード、
身体の姿勢。
刻々と変わる、
ノンバーバルの表現。
それはビデオに記録できるものなので、
客観的ではあるけれど、
クライエントさんの深い無意識、
つまり主観の現れ。
ここがキャッチできないと、
クライエントさんの話の内容だけに、
引っ張られます。
それではクライエントさんの
主観の理解も浅いまま。
クライエントさんの主観の理解には、
セラピストの主観力はもちろん、
客観力も総動員する必要があります。
セッション力を高めるには、
この主観力と客観力。
両方を高め、
統合していくことが大切です。
来月リリースする資格プログラムは、
この主観力と客観力の促進と統合も
大事なテーマと考えています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。